Realsee Galois と Matterport の比較|スペック・撮影時間・費用構造

3Dスキャナーの導入検討で必ず気になるのが、Realsee Galois と Matterport のどちらを選ぶかというポイントです。

当社は Realsee Galois と Matterport の両方を取り扱い、いずれの機材でも撮影を行っています。その立場から、公式スペックと実際の撮影データを整理しました。

いずれか一方を推奨する内容ではありません。用途によって適した機種は変わります。判断材料として活用いただければ幸いです。

※本記事に記載の価格・仕様は2026年8月時点のものです。


~比較する4つのポイント~

先に全体像を示します。

ポイント1→測定精度に大きな差はありません。 Galois M2 と Matterport Pro3 はいずれも10m先で ±20mm。動作温度も3機種とも0〜40℃で同一です。

ポイント2→撮影速度も、上位機種同士では同等です。 1000㎡の撮影で Galois P4 が約57分、Pro3 が約1時間。差は3分程度です。

明確な差があるのは、パノラマ解像度と費用構造の2点です。

ポイント3→解像度は Galois が上回ります。

ポイント4→費用については、Realsee が1物件あたり月500円の従量課金、Matterport が20スペース枠で月8,000円の定額。

単価だけを見れば Matterport の方が安く、公開規模と物件サイズによって有利不利が入れ替わります。

以下、根拠となる数字を順に見ていきます。


3機種の位置づけ

機種位置づけ
Realsee Galois M2標準機・屋内中心
Realsee Galois P4上位機・屋外/広域対応
Matterport Pro3大規模・屋外対応の最上位機

M2 と P4 は単純な上位下位の関係ではありません。測距距離が25mと100mと大きく異なり、想定している現場が違います。屋外や広域が中心であれば P4、屋内が中心であれば M2 という使い分けになります。


企業の背景と実績

機材の仕様だけでなく、開発元がどのような企業であるかも、長期運用を前提とする場合には判断材料になります。

Matterport(米国)

2011年に米国で設立。2021年に NASDAQ へ上場し、2025年2月には不動産情報大手 CoStar Group による買収が完了しました(買収時の企業価値は約16億ドル)。

同社の発表によれば、177か国で1,400万件以上の空間、500億平方フィート以上をデジタル化しています。デジタルツインという分野を切り開いた先行企業であり、不動産業界を中心に10年以上の運用実績があります。日本国内でも正規代理店による販売・サポート体制が整っており、導入事例やノウハウの蓄積も豊富です。社内稟議や取引先への説明において、実績の厚みが説得材料になる場面もあります。

CoStar 傘下に入ったことで、AI・機械学習への投資を加速する方針が示されています。一方で、買収に伴い製品戦略や料金体系が今後変更される可能性については、長期導入を検討する際に留意しておく点です。

Realsee(中国)

中国の Realsee(如視科技)が開発しています。同社の発表では、5,000万件を超える3D空間データベースを構築し、600件以上のグローバル特許を保有。Galois シリーズは世界で約1万台が稼働し、70か国・5,000以上のブランドで利用されています。

reddot デザイン賞およびグッドデザイン賞を受賞しており、コンピュータビジョン分野の国際会議 ICCV でも技術発表を行っています。

Matterport と比較すると、日本国内での導入実績や事例の蓄積はまだ限られます。一方で製品開発のペースは速く、M2 から P2、P4 へと短期間で世代を重ねています。成長段階にあるプラットフォームであり、今後の機能拡張が期待される反面、Matterport ほどの長期実績はまだない、というのが現状の位置づけです。

公表数値の扱いについて

両社が公表する「空間数」は Realsee の方が大きな数字となっていますが、集計の定義(1空間の単位、対象期間、無料利用分の扱いなど)が各社で異なるため、単純な優劣の比較には使えません。参考値としてご覧ください。

データの保管場所

公共機関や自治体、上場企業の案件では、データの保管場所が調達条件に含まれる場合があります。両社とも日本国内の AWS を利用しています。 個別の要件がある場合は、詳細をお調べしますのでご相談ください。


スペック比較

項目Realsee Galois M2Realsee Galois P4Matterport Pro3
深度技術LiDARLiDARLiDAR
レーザー波長940nm905nm904nm
レーザー安全規格クラス1クラス1クラス1(IEC 60825-1:2014準拠)
測距範囲0.2〜25m(反射率90%時)0.1〜100m(反射率90%時)0.5〜100m(E57形式点群での表示距離)
測定精度±20mm以下(10m時)±10mm以内(0.1〜15m時)±20mm(10m時)
点群取得速度毎秒約20,000点毎秒125,600点毎秒100,000点
LiDAR視野角360°×150°360°×213.25°360°H×295°V
1スキャンの所要時間約25秒約16秒約18秒
位置合わせ自動(アプリ処理)自動(アプリで1秒スティッチング)自動
パノラマ解像度16K相当(16000×8000px)24K相当(24,576×12,288px)4K相当
HDR3枚露出HDRSmart HDR・マルチスペクトルセンサー5枚露出HDR
本体サイズ(高×幅×奥)208.5×150×104mm209.5×104×152mm181×161.4×76mm
重量2.66kg(バッテリー込)約2.6kg2.2kg
動作温度0〜40℃0〜40℃0〜40℃
保管温度−10〜50℃−10〜50℃−20〜60℃
対応OSiOS/AndroidiOS/AndroidiOS/Android

※測定精度・測距範囲は各社で測定条件が異なるため、数値の単純比較はできません。
※解像度は撮影素材の情報量を示すものであり、最終的な閲覧品質は各プラットフォームの画像処理により異なります。
※Matterport Pro3 の仕様は2022年10月版カタログおよびメーカー確認に基づきます。

表から読み取れること

測定精度は M2 と Pro3 が同水準です。 どちらも10m先で ±20mm。P4 は ±10mm以内(0.1〜15m時)とされていますが、測定距離の条件が異なるため、同じ基準での比較ではない点にご留意ください。

動作温度は3機種とも0〜40℃で同一です。 使用可能な環境条件に差はありません。

パノラマ解像度には差があります。 画素数に換算すると、Pro3 が約830万画素、M2 が約1億2,800万画素、P4 が約3億画素。看板や銘板の文字判読、内装の質感表現が要件となる案件では、この差が影響します。ただし Matterport は画像処理クラウドでの補正を特徴としており、解像度の数値がそのまま閲覧品質の差になるわけではありません。実際の見え方は、サンプルモデルでご確認いただくことをおすすめします。

測距範囲は M2 のみ25mと短くなっています。 屋内であれば問題になることは少ないものの、屋外や大空間では P4・Pro3 の100mが有利です。

防塵防水等級は Pro3 のみが公表しています。 Pro3 は IP43。Realsee 側は等級を公表していないため、屋外での使用条件については個別にご確認ください。


1000㎡の撮影にかかる時間

当社が Matterport Pro3 で1000㎡・100ポイントを約1時間で撮影した実績をもとに、同一条件で試算しました。

項目Galois M2Galois P4Matterport Pro3
1ポイントのカバー範囲約8㎡約10㎡約10㎡
必要ポイント数125100100
1スキャンの撮影時間25秒16秒18秒
移動・設置18秒18秒18秒
1ポイントあたり合計43秒34秒36秒
1000㎡の所要時間約1時間30分約57分約1時間

※Matterport Pro3 の数値は当社の実撮影に基づく実測値です。Galois M2・P4 は、Pro3 と同一条件(移動・設置18秒)を前提とした試算値です。
※1ポイントのカバー範囲は測距性能に基づき設定しています(M2は測距25m、P4・Pro3は100m)。
※屋外や体育館などの大空間では1ポイントあたり20㎡程度のカバーが可能で、所要時間はさらに短くなります。
※セットアップ、クラウド処理、データ確認の時間は含みません。実際の所要時間は空間の形状、間仕切りの多さ、什器の量により変動します。

P4 と Pro3 の差は3分程度で、実質的に同等と考えて差し支えありません。M2 との差は約33分です。1000㎡クラスであれば、3機種とも半日で撮影を終えられる計算になります。

実際の撮影速度は、現場で見ていただくのが確実です。
御社の物件を1部屋だけ撮影し、その場で仕上がりをご確認いただけます。両機種の撮り比べも可能です。


費用構造の違い

両者は課金の考え方が根本的に異なります。それぞれの構造を整理します。

Realsee Galois:公開1物件につき月500円

Realsee は、公開している物件1件につき月あたり1クレジット(500円)が発生します。月額固定費はありません。

スキャンポイント数や面積による追加費用はなく、対象の規模にかかわらず1件あたり月500円です。また、公開しない限りクレジットは消費されないため、撮影データを社内で保管・閲覧するだけであれば費用は発生しません。

※購入したクレジットの有効期限は1年間です。まとめ買いをされる場合は、年間の使用見込みに応じた数量をご検討ください。

Matterport:スキャンポイント数に応じた枠の月額課金

Matterport はクラウド契約が前提です。Pro3 の使用にはプロフェッショナルプラン以上が必要で、スタータープランでは利用できません。

消費するアクティブスペース数は、スキャンポイント数によって変動します。

スキャンポイント数消費されるアクティブスペース数
1〜2001
201〜5002
501〜1,0003
1,001以上4

20アクティブスペースのプロフェッショナルプランは年額96,000円(月額8,000円相当・非課税)。1スペースあたり月400円の計算です。撮影や公開の有無にかかわらず、契約期間中は発生します。

このプランには以下が含まれます。

単価で比べると Matterport が安い

1件あたりの単価は、Matterport が月400円、Realsee が月500円。 枠を使い切る前提であれば、Matterport の方が2割安くなります。

ただし Matterport は枠を使わなくても定額が発生します。実際に公開している物件数で損益は変わります。

平均同時公開数Realsee(年間)Matterport 20スペース(年間)
5件30,000円96,000円
10件60,000円96,000円
16件96,000円96,000円
20件120,000円96,000円
25件150,000円117,600円
50件300,000円219,600円

分岐点は16件です。 常時16件以上を公開するのであれば Matterport、それ以下であれば Realsee の方が費用を抑えられます。公開数がゼロの月がある運用であれば、Realsee の従量課金が有利に働きます。

大規模施設では逆転する

ただしこの計算は、1物件が1アクティブスペースに収まる場合の話です。Matterport はスキャンポイント数が200を超えると消費スペース数が増えるため、大規模施設では実質単価が上がります。

対象面積の目安ポイント数Matterport 月額換算Realsee 月額
住宅1戸100㎡約10400円500円
オフィスフロア1,000㎡約100400円500円
中規模施設3,000㎡約300800円500円
学校校舎全体5,000㎡約500800円500円
大型物流倉庫10,000㎡約1,0001,200円500円

おおむね200スキャンポイント(2,000㎡前後)を境に、有利な側が入れ替わります。 住宅やテナント区画のような小規模物件を多数扱うのであれば Matterport、工場・倉庫・学校といった大規模施設を扱うのであれば Realsee、という整理になります。


3年間の総コスト

本体価格と3年分のクラウド費用を合算しました。20物件を常時公開する前提です。本体価格は保証期間・サポート範囲・保険対象を同条件に揃えた金額です。

項目Galois M2Galois P4Matterport Pro3
本体(サポート・保険込み)800,000円~1,800,000円~1,500,000円~
クラウド費用(3年)360,000円360,000円288,000円
3年総額1,160,000円2,160,000円1,788,000円

20物件を常時公開する運用では、Matterport Pro3 が Galois P4 を約37万円下回ります。 本体価格の差30万円に加え、クラウド費用でも Matterport が安いためです。

Galois M2 の3年総額は1,160,000円で3機種中最も低くなりますが、測距25mという仕様上、屋外広域は想定されていません。同じ土俵での比較ではない点にご留意ください。

公開数によって結論は変わります

上記は「20物件を常時公開」という条件での試算です。運用形態が変われば結果も変わります。

運用パターン3年クラウド費用(Realsee)3年クラウド費用(Matterport)
社内記録のみ・公開なし0円288,000円
平均5件を公開90,000円288,000円
平均20件を公開360,000円288,000円
平均50件を公開900,000円658,800円

社内記録が中心で公開が少ない運用では Realsee

多数の物件を常時公開する運用では Matterport。 ここが費用面での基本的な判断軸になります。

御社の運用ではどちらが安くなるか、個別に試算します。
想定される撮影件数、公開する物件数と規模をお聞かせいただければ、3年間の総額を機種ごとに算出してお渡しします。


用途別の適性

想定する用途適した機種理由
現場記録・社内での履歴管理Galois M2/P4公開しない限り費用が発生しない
大規模施設のデジタルツイン化Galois M2/P4面積・ポイント数にかかわらず月500円
公開件数が月ごとに変動するGalois M2/P4月額固定費がなく、公開分のみ課金
屋内・小中規模が中心Galois M2測距25mで対応可能。精度は Pro3 と同水準
屋外・広域の撮影が中心Galois P4測距100m、視野角213.25°、撮影速度も最速
看板・銘板の文字判読が要件Galois P424K相当のパノラマ解像度
小規模物件を多数、常時公開するMatterport Pro31スペースあたり月400円。16件以上で有利
点群を BIM・CAD に連携させるMatterport Pro3E57・CAD・BIMファイルの書き出しアドオン
複数名のチームで共同編集するMatterport Pro3ユーザー10名、タグへの50GB添付
屋外で防塵防水が要件Matterport Pro3IP43を公表
長期実績や導入事例の多さを重視するMatterport Pro3177か国・1,400万件以上の実績、国内事例も豊富
社内稟議で採用実績が求められるMatterport Pro3業界標準としての認知度が高い
既存の Matterport データがあるMatterport Pro3データの互換性を維持できる

よくあるご質問

Q. Realsee の精度や耐久性はどの程度ですか。

測定精度は M2 が ±20mm以下(10m時)で、Matterport Pro3 と同水準です。動作温度も両社とも0〜40℃です。ただし防塵防水等級については Pro3 のみが IP43 を公表しており、Realsee 側は公表していません。屋外での常用を想定される場合は、使用環境をうかがったうえでご案内します。

Q. Realsee は新しいプラットフォームのようですが、長期的に使い続けられますか。

Realsee は Matterport と比べると後発で、日本国内での導入実績もまだ限られます。一方で世界70か国・5,000以上のブランドで利用され、600件以上のグローバル特許を保有しています。長期の運用実績を重視される場合は、177か国・1,400万件以上のデジタル化実績を持つ Matterport に分があります。導入年数の見通しや社内での説明のしやすさも含め、ご相談ください。

Q. 結局どちらが安いのですか。

公開する物件の数と規模によって変わります。単価では Matterport(月400円)が Realsee(月500円)を下回りますが、Matterport は公開の有無にかかわらず定額が発生します。常時16件以上を公開するなら Matterport、それ以下や公開しない月がある運用なら Realsee が有利です。また2,000㎡を超える大規模施設では Matterport の消費スペース数が増えるため、Realsee の方が安くなります。

Q. Matterport から Realsee に乗り換えられますか。

プラットフォームが異なるため、既存データをそのまま移行することはできません。すでに多数の Matterport データを公開・運用されている場合、乗り換えのコストと得られる効果を個別に試算する必要があります。継続利用が適切と判断されるケースもあります。

Q. 両方を併用することはできますか。

可能です。用途によって使い分けている企業もあります。たとえば社内記録は Realsee、顧客向けの公開物件は Matterport といった運用です。ただし2つのプラットフォームを管理する運用負荷は発生します。

Q. 実機を見ることはできますか。

全国どこでも無料でデモに伺います。実際の空間を1部屋だけでも撮影し、その場で仕上がりをご確認いただけます。両機種を同じ空間で撮り比べることも可能です。

Q. 補助金は使えますか。

各自治体独自の補助金や全国のDXや省力化補助金などの対象となる場合があります。要件は年度や事業内容によって異なりますので、個別にご相談ください。


まとめ

どちらが優れているという性質の比較ではありません。公開する物件の数と規模、そして撮影データを社内で使うのか外部に共有するのか。 この2点を整理することで、適した機種は絞り込めます。


ご相談について

当社は Realsee Galois と Matterport の両方を取り扱っています。特定の機種に誘導することなく、御社の運用に合わせてご提案いたします。

「まず1部屋だけ試したい」「自社の物件で費用感を知りたい」という段階でも構いません。デモは全国無料で対応いたします。

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